ジャガイモってこんなに面白い!人気エッセイストで画家の玉村豊男が書き下ろす “ポテトにまつわるすべて”『玉村豊男のポテトブック』発売!

  

ジャガイモをめぐる知的冒険!アメリカのベストセラーで幻の名著『ポテト・ブック』の日本オリジナル版、ついに刊行!

本書は、1976年に発行された、アメリカのベストセラーで幻の名著『ポテト・ブック』(伊丹十三 訳、ブックマン社 発行)の後を継ぎ、料理と食文化について書き続けてきた著者が、日本オリジナル版として“ポテトにまつわるすべて”を凝縮し、まとめた1冊です。

「ポテトチップスはクレームから生まれた?」

「フレンチフライは戦争とマックで世界に広がった?」

「世界各地のポテト料理の作り方の違いはどうして生まれた?」

など、ジャガイモの起源から歴史、食文化、料理法の考察など、玉村氏ならではの視点で軽妙に綴られています。

また、人気イラストレーターによる描き下ろしの画も多数収録。美しいイラストレーションで繰り広げられる、レシピ本でもエッセイ集でもない、読んで美味しい、見て楽しい、新しい食読本として、ぜひお楽しみください。

 

▼本文イメージ

 

本文より

伊丹さんとは、彼が雑誌『モノンクル』の編集長をしていたときに会いました。私はその雑誌に「TOKIO不思議ガイド」という連載を書き、それ以来、個人的にも親しくなりました。あるとき、用事はないのに、突然電話をもらったことがあります。

「タマムラさん、ぼくたちカタストロフィー症候群だね」

精神分析にも詳しかった伊丹さんは、最近そんな言葉を知ったというのです。いったんなにかに夢中になると、そのことばかりに没頭して、寝ても覚めてもそのことを考える。でも、いつかは終わりがやってきて、ある瞬間から憑きものが落ちたようにケロッと忘れてしまう……言われてみれば、たしかにその通りです。先輩に同類と認められたのはうれしいけれど、果たしてその性癖はよいものかどうか。

この本を書くと決めてから、資料を集め、レシピを調べ、ジャガイモの専門家に話を聞き……原稿を書きはじめてからは、ほかの仕事は放り出し、文字通り寝る間も惜しんで机に向かいました。朝から晩まで、なにをしていてもジャガイモのことを考えている。まさに破局に向かって一直線……。

ですが、幸い、まだカタストロフィーの瞬間は訪れていません。本を書き終わってからも、家庭菜園で採れたジャガイモを、毎日あれこれ考えながら、料理しています。

ジャガイモは奥深い。食べれば尽きない滋味がある。調べればどんどん分からないことが増えてくる。みなさんも、ジャガイモに夢中になってみませんか。

 

◾️目次

はじめに 伊丹十三さんの思い出

[ポテトをめぐる物語]

夜のカフェで/ミスター・リーズのサンドイッチ/新大陸の贈りもの/不謹慎な植物/

戦乱と飢饉のヨーロッパ/タラとジャガイモの出会い/ジャガイモの食べ方/郷愁のブランダード/

海を泳ぐ黄金/ニューファンドランド/スープの語源/失われたパン/土のないジャガイモ畑/

イモに月が出ている/アイリッシュ・シチュー/ジャガイモ掘り 

[ジャガイモという不思議な植物]

コモンポテト/ノアの箱舟/ジャガイモ博士に聞く/インカ帝国の知恵

 

[ポテトの料理法]

ポテトチップス/フレンチフライ/ベークドポテト/ローストポテト/ハッシュブラウン/

マッシュポテト/ポテトサラダ

コラム <ミスター・リーズのサンドイッチ><夜のカフェで><ジャガイモ掘り>

<料理の四面体><和食とジャガイモ>

おわりに 家庭菜園からの報告

 

著者略歴

玉村豊男

1945年東京都生まれ。エッセイスト、画家。東京大学文学部仏文学科卒業。在学中、パリ大学言語学研究所に留学。帰国後、通訳、翻訳業を経て、エッセイストの道へ。1991年長野県東御市に転居、2003年「ヴィラデストガーデンファームアンドワイナリー」開業。『パリ 旅の雑学ノート』『料理の四面体』など、著書多数。

Official Website: 
villadest.com/about/tamamura

◾️書誌情報

書名 :玉村豊男のポテトブック

著者 :玉村豊男

発売日:2023年9月23日

判型 :B5判変型

頁数 :128頁

定価 : 1,980円(本体1,800円+税)

書誌ページ:
asahipress.com/bookdetail_norm/9784255013442