~人へ、地球へやさしい化粧品の開発を目指して~ 化粧品成分のサンゴへの影響把握研究に本格着手

  

サンゴ養殖の金城浩二氏、横浜国立大学の尾形准教授と連携

株式会社コーセー(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林 一俊)は、雪肌精「SAVE the BLUE」プロジェクトのサンゴ保全の取り組みで中心的な役割を担う沖縄のサンゴ養殖の専門家、金城浩二氏と連携し、サンゴに対する化粧品成分の影響把握にむけた本格的な研究に、2019年11月より着手しました。さらに横浜国立大学大学院 環境情報研究院 尾形信一准教授とも同時に連携し、3者の共同研究によって、外観変化だけでないサンゴへの影響をより詳細に解明することで、海への環境負荷の低い化粧品の開発に繋げることを目指します。

近年、人が肌に塗っている日やけ止め料が海中のサンゴに悪影響を与えている恐れがあるとの研究論文を根拠として、パラオ共和国や米国ハワイ州、フロリダ州キーウェストなどの世界有数のサンゴ礁を有する地域で、日やけ止め料の販売や持込、使用を法規制する動きが相次いでいます※1。
一方、米国パーソナルケア製品評議会(PCPC:Personal Care Products Council)では、化学物質がサンゴに与える影響を判断する科学的根拠は十分ではないとして、紫外線の悪影響から人を守るために有益な日やけ止め料の使用を止めることには慎重な姿勢をとっています※2。

コーセーはこうした状況を踏まえて金城氏と意見交換を行う中、「SAVE the BLUE」プロジェクトで続けているサンゴ保護への取り組みを研究領域にも広げ、「海に入る人の肌を紫外線等から守りながら、サンゴにもやさしい化粧品の開発」を目指したいという両者の思いから、共同で基礎研究を行なうことで一致し、事前準備を進めてきました。
成育自体が難しいサンゴを用いた試験にあたって、20年以上の経験に基づくサンゴの生態に関するスペシャリストである金城氏の豊富なノウハウにより、確度の高い研究が可能となります。さらに、横浜国立大学大学院 環境情報研究院の尾形信一准教授にも参画いただき、サンゴの外観等の変化のみでなく、遺伝子レベルでの生化学的および分子生物学的な影響を評価していく計画です。
化粧品の製剤技術をもつコーセーと金城氏、尾形准教授の3者の連携により、化粧品成分がサンゴに与える影響を把握し、海への環境負荷が低い化粧品の開発と、SDGsへの貢献を目指します。

雪肌精「SAVE the BLUE」プロジェクト 
当社は、当社の代表ブランド『雪肌精』シリーズの「SAVE the BLUE」プロジェクトを通じて、2009年より沖縄のサンゴを保全する、有限会社「海の種」(代表:浩二、所在地:沖縄県読谷村)の活動を支援しています。毎年夏の「SAVE the BLUE」キャンペーン期間中に販売した『雪肌精』の対象商品のボトルの底面積に相当する沖縄の海底に、養殖したサンゴの苗の植えつけ費用として寄附しています。これまでに植え付けられた面積は、11年間で、25mプール約28倍分相当になりました。
そうした中、金城さんが育てて海底に植えつけたサンゴの中から、海水温が上昇しても白化に強い「奇跡のサンゴ」が発見され、注目されています。水深の浅いところで育てられたため、紫外線や暑さに耐性ができたのではないかと言われています。
2018年からは、プロジェクト10年目を機に、夏季の活動に加え、東北の森を守る冬季のキャンペーンも新たに開始。 2019年春に、初めて東北エリアで広葉樹の植樹を行いました。また、『雪肌精』を販売している海外の9つの国と地域(中国・台湾・香港・韓国・タイ・シンガポール・マレーシア・インドネシア・アメリカ)にて、各エリアでのキャンペーンと独自の地球環境保全活動に取り組んでいます。
詳細は下記のウェブサイトをご覧ください。

・雪肌精 SAVE the BLUE
http://www.savetheblue.sekkisei.com/

・コーセー企業情報 サステナビリティ 雪肌精「SAVE the BLUE」プロジェクト
https://www.kose.co.jp/company/ja/sustainability/special1/

・有限会社 海の種
http://www.seaseed.com/